世界全体で1日当たり20億杯以上のコーヒーが飲まれ、抽出した後に出るコーヒーかすは年間6000万トンに上ります。このうち再利用されるのはごく一部で、その多くは土壌肥料として使用されますが、ほとんどのコーヒーかすは焼却されるか埋め立て処分されます。その際、他の有機化合物と同様、二酸化炭素(CO2)の25倍の温室効果があるメタンを放出します。
最近の研究で、コーヒーかすがコンクリートの材料として活用できるほか、強度も向上できることが分かりました。
「我々はコーヒーを飲みながらこのアイデアを思いついた」と話すのは、オーストラリアのメルボルンにあるロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)工学部の研究員で、この研究を主導したラジーブ・ロイチャンド氏です。「コーヒーかすを酸素のない状態で焙煎(ばいせん)したところ、バイオ炭と呼べるものができた。砂の代わりにコンクリートに混ぜたところ、強度が30%向上した」